ポルトガル旅行手配メモ①

ポルトガル旅行手配までの覚書

そうだ新婚旅行に行こう

 一昨年の夏、会社のアレがアレしたことにより、人員の配置換えがあり3人で担当していた業務を1人で回すことになった。当然休みが取りづらくなり残業は格段に増え、ひたすら会社と家の往復の日々が続いていた。
忙しくなった仕事の内容は嫌ではなかったものの、とにかく業務量が多くじわじわ心身ともに蝕まれていたようで、慢性的に体調が悪かったり当時同居人だった夫ともよく喧嘩をしていた。昨年の9月にようやく人を増やしてもらい、休みが取りやすくなり残業も減った。

 結婚したのは去年の3月。わたしたちは挙式や披露宴も行わず親族の顔合わせのみ行うだけだった。結婚までに2年弱同棲していたこともあり、いわゆる新婚感はかなり薄味の我々。別にそれで不満はないのだけど、気持ちに余裕が出てきたこともありもっと思い出作りがしたい…!と思うようになった。
ガチの激務の人からすれば鼻で笑われる残業時間でも、それまでほぼ定時に退社していた自分にはなかなか急激な変化で毎日をこなすだけで精いっぱいになりいろいろ余裕をなくしていたように思う。余暇の時間が増えると、いろんなことをしたいという欲望が戻ってくるのを感じた。

 ということで本腰を入れて旅行のことを考えることにしたのが数か月前。

さてどこに行こう

 夫はこれまでそこそこ海外旅行の経験があるものの、わたしは16年前のタイ(9.11があったまさにその時)、8年前のハワイ、去年の台湾の3回しか海外旅行の経験がなく、その旅行も人の手配におんぶにだっこしただけという体たらくの海外偏差値40の女である。「ヨーロッパなんてあっしには身に余るお話でやんす…」みたいな気持ちでいた。

 でも去年台湾に行ってみて、海外旅行ってそんなに大変じゃないし楽しいな…!とチャクラが開き海外へのハードルは一気に下がったのだった。台湾よありがとう。

 で、肝心な行き先をどうするか?である。行ってみたかったのはハワイ、そしてポルトガルだった。

 ハワイは以前にも行ったことがあるし、盤石の楽しさであることも経験済み。周りにも詳しい人が多くてなんだか心強い旅行先だ。いいホテルをとってゆったり過ごしたり、買い物したり、アクティビティに興じたり…超楽しそう。でも普段仲良くしている近所の友達と町内会旅行的な感じでいつか行きたいねと常々話している場所でもあった。いつかみんなで行くのなら、わざわざ二人で行くのは別の場所でもいいかもしれない。

 ポルトガルは、代々木八幡にある「クリスチアノ」というポルトガル料理の店で食べてからすっかり大好きになってしまい、いつか行ってみたいと思っていた国だった。
ポルトガルについての知識はほとんどなかった。とにかく日本から遠い国であること、料理がおいしいこと、あとなんか街がかわいいっぽい、ぐらいだった。英語もあまり通じないらしいし、行くにはハードルが高いね…とも言っていた。

 つまりどちらにも決めかねたまま、半年ぐらいうだうだと話が進まなかった。

会社のトイレでポルトガル行きを決意

  ハワイかポルトガルか、はたまたまた別の国か…と迷うこと数か月、わたしは会社のトイレで食後の歯磨きをしている時にふと思った。「行けるときに行きたい場所に行くべきだ」と。ちょうど同僚が体調不良で突然数か月の療養に入るという出来事があり、「人はいきなりぶっ倒れることがある。元気に過ごせる時間は限られてる。」とつくづく思った時だった。
ハワイは、たぶんもうちょっと歳をとっても行ける。老若男女問わず楽しめるところだから。懐の大きさヤバいところだから。そうしたら、ポルトガルだな、と心が決まった。その夜夫にその話をして、夫も「行きましょう」と快諾してくれた。夫はわたしがしたいということをいつも喜んで受け入れてくれる。

 かくして旅行の手配が始まったのである!

 

つづく